終盤国会 参議院の独自性の確立と国民投票法改正に取り組む
今通常国会の最重要課題の一つである憲法改正の手続きを定める国民投票法の改正。私は、参議院憲法審査会の自民党幹事として、二度にわたり、発言を行いました。
4月28日 3年2ヶ月ぶりの実質論議の場において、自民党を代表して最初に意見表明をしました。
制定以来74年間、一度も改正していない現行憲法には、現代社会にそぐわない部分が生じていること、自民党は①自衛隊の明記、②緊急事態対応、③合区解消、④教育の充実を、たたき台素案として世に示していることに加え、今般のコロナ禍や今後発生し得る未知の感染症などの緊急事態への対応とデジタル化の進展への対応は新たな問題を提起しており、緊急事態対応への感染症の位置づけやオンライン審議採決の検討を意見として延べました。また、憲法改正国民投票法改正案の早期採決、本審査会の毎週開催を主張しました。
6月9日 憲法審査会 国民投票法案の大詰めの質疑。
附則の検討条項の意味について、「この検討条項に基づいてCM規制等について検討を行っている間に、同時並行的に、憲法本体の論議を行うことは可能か」と質問しました。与党の中谷議員、北側議員、更に野党側の山花議員から、法制的には憲法本体の論議も憲法改正の発議も可能であると明確な答弁をいただきました。
また、逢沢議員からは、期日前投票と繰延投票について明確な答弁をいただきました。
その後、審議は順調に進み、この法案は審査会で可決されました。
今国会では法案の条文等の誤りが頻発し、私も、衆参両院の政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会において、公職選挙法改正案の発議者として答弁することとなりました。三年前の各党の対立が激しかった、当時の改正の議論が再び繰り返され、厳しいやり取りもありました。
法案は無事成立いたしましたが、参議院自民党においても、今後の再発防止に向け、議論を進めております。
参議院の独自性をあらわすものとして、「決算審査の充実」と「行政監視機能の強化」があります。前者の決算委員会の筆頭理事に続き、今国会では行政監視委員会の筆頭理事として、参議院の独自性の確立に向け取り組んで参りました。通常国会最終盤の6月11日には、総務大臣の政策評価等年次報告に対する本会議質疑に立ちました。
政策評価制度20年を迎えた政策評価の意義と今後の方向性、エビデンスに基づく政策推進、新型コロナ関係の政策についての政策評価の在り方、国が法律等により策定を義務付ける計画が地方公共団体の負担になっていることの見直し、新型コロナにより悪化している地方財政の充実など多岐に亘って質疑を行いました。総務大臣、地方創生担当大臣よりそれぞれ前向きな答弁がありました。
また、山東議長の下に設置された参議院改革協議会にも自民党メンバーとして参加、世耕座長のもと、参議院の組織及び運営に関する諸問題の調査検討に取り組んでいます。
山田啓二京都産業大学教授の講座「地方自治未来論」で三回生の学生向けにリモート講義を行いました。山田さんは前京都府知事で共に知事会で地方分権を進めるため、国に対し主張、要望をした仲間です。知事として、そして今は参議院議員として地方自治、地方創生のため取り組んできたことを私が講義した後、山田さんと現在の状況について語り合いました。道州制の議論が停滞していること、「地方分権」を地方が取り上げることが少なくなってきていることなど、まだまだ課題が山積していることを話し合いました。
今国会での活動を踏まえ、引き続き新型コロナウイルス感染症対策・経済支援対策とともに、コロナ禍で浮き彫りとなった東京一極集中の弊害打破の取組を進めてまいります。